23/04 View of a walking bird
2023 / 04
Solo exhibition “ View of a walking bird ”
at Kusunamiki Gallery in Miyazaki
歩く鳥の視界( View of a walking bird )
俯瞰とは、高所から見下ろすことである。
そこから見えるのは、視界からはみ出るほどの世界。
風景について、私は言葉でかいてみた。
風景とは、これまでの記憶、過去から現在というスパン、個々人がもつ世界観そのもの。
風景とは、モノであり私たちの対象物、トリミングされた、例えば作品。
風景とは、誰も見ることのできない俯瞰した世界、モノの配置。
これまでのシリーズでは「モノ」と「風景」との距離を近づいたり、離れたりするように制作をしてきた。
そして私は今までよりもっと遠く離れ、広範囲な世界を描こうと考えた。
広範囲で世界を捉えるというのは不思議なことに、自ずと俯瞰的な視点に到ることに気がついた。
ただ出来上がったそれを見つめていると、星空のようにも感じた。
同時に思い出されたのは、私が初めて正面から夜空の月と対峙したときだ。
あの時に感じたのは、1つのとても丸いイシと、自分自身という存在だった。
あれを美しいと感じた私は、自分のもつ風景を通して月を見ていた。
上空にあり続ける星や月を見ることは、私の描きたい「モノの見方」と同じだ。
彼らは誰も拒むことはなく、平等に対象物としてあり続けている。
誰も見ることのできない俯瞰の風景は、夜空を見上げるという行為とつながっている。
地上から俯瞰する。地上にある世界観という自分を通りまた視点は空へと昇っていく。